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明石屋は江戸時代末期の安政元年(1854年)、当時の薩摩藩主・島津斉彬公の「薩摩の地に誇れる菓子を」という御下命を受けたのが、創業の由来になります。以来、「薩摩伝統の菓子を通じて、鹿児島の文化を創造する」という企業理念の元に、いつの時代も良質な材料と熟練の技術、そして脈々と受け継がれてきた知恵や情熱を持って、鹿児島の地で和菓子づくりに勤しんでまいりました。

明石屋の菓子づくりの中心に「淡味真」という考えがあります。それは、素材の持ち味を最大限に活かしお菓子を作ること。そして淡味の中にこそ、和菓子づくりの真髄があるとの考えです。明石屋の代表銘菓である「軽羹(かるかん)」は、山芋と米粉、砂糖だけで作る、とてもシンプルなお菓子です。それゆえに、素材の味と品質が、お菓子の仕上がりに大きく影響します。原材料となる農作物とそれを生産する農家の方々無くして、明石屋は成り立ちません。自然の恵みに感謝しつつ、その材料を活かした美味しい菓子をつくり、お客様へお届けすることが私どもの使命だと思っています。

時代は常に変化の只中にあります。創業以来、私たちも常に変化の波にのまれ、「時」という試練を経験してきました。次世代へと受け継ぐべきことは、決して過去にしがみつくのではなく、世の中の変化に柔軟に対応し、常に自分自身を進化させる事だと思います。しかし、どんなに時代が変わろうと、「薩摩伝統の菓子を通じて、鹿児島の文化を創造する」という志は変わることはありません。

鹿児島のシンボルである桜島。洋上に浮かぶその雄姿は、悠久の歴史と自然の素晴らしさを語りかけてくれます。私たちがつくる菓子も桜島のように鹿児島の歴史や望郷の想いを感じさせるような存在になれるように、日々研鑽を重ねてまいります。

代表取締役社長 岩田 英明